未払いと回収

養育費未払いで相手の給与を差し押さえる(強制執行)条件と具体的な手順

養育費が支払われなくて困っているあなたへ。この記事では、相手の給料から養育費を確実に受け取るための「給料の差し押さえ」について、具体的な手順と注意点をわかりやすく解説します。一人で抱え込まず、まずは読み進めてみてください。

この記事で分かること

養育費の支払いが滞ってしまったとき、相手の給料から養育費を確実に受け取るための「給料の差し押さえ」という手続きについて、知っておくべきことをすべてお伝えします。

給与差押さえ(強制執行)の流れ 債務名義の用意から地方裁判所申立て、勤務先への差押命令、給料からの直接受け取りまでの図解

法律の専門知識がなくても大丈夫です。具体的な行動手順から、よくある失敗例とその対策まで、次の一歩を踏み出すための情報を詳しくまとめました。

まず手元の書類を確認しよう

最初に、「養育費について取り決めた書類」があるか確認してみましょう。たとえば、裁判所で話し合って作成した「調停調書」「審判書」、公証役場で作成した「公正証書」などです。

これらの書類は、今後の手続きを進めるうえでとても大切になります。もし見当たらない場合は、どこに保管したか、あるいは作成した覚えがあるか、少し時間を取って確認してみてください。

ポイント

「調停調書」「審判書」「公正証書(強制執行認諾文言付き)」のいずれかがあれば、給料の差し押さえ手続きに進めます。まずは書類の有無を確認することが最初の一歩です。

こんな状況、あなただけじゃない

たとえば、お子さんが3歳で、元夫の年収が350万円、あなたの年収が150万円というケースを考えてみましょう。養育費の取り決めはしたものの、支払いが滞りがちで、生活費や子どもの将来に不安を感じているかもしれません。

このような状況で給料の差し押さえを検討する方は少なくありません。法的な手続きを正しく進めれば、養育費を確保できる可能性は十分にあります。

給料差し押さえを実現する4つのステップ

相手の給料を差し押さえる手続きには、いくつかのステップがあります。一つずつ確認していきましょう。

ステップ1:必要な書類が揃っているか確認する

給料の差し押さえには「債務名義(さいむめいぎ)」という、養育費の約束を公的に証明する書類が必要です。以下のいずれかを持っているか確認してください。

  • 公正証書(強制執行認諾文言付き):公証役場で作成した書類です。
  • 調停調書・審判書・判決書:裁判所での話し合いや裁判の結果として発行された書類です。

これらの書類がない場合は、まず家庭裁判所に「養育費請求調停」などを申し立てて、債務名義となる書類を作成する必要があります。

「公正証書」「調停調書」「審判書」「判決書」のいずれかを手元に用意しましょう。

ステップ2:相手の情報を集める

差し押さえの手続きを進めるには、相手の以下の情報が必要です。

  • 現在の住所:裁判所からの書類を送るために必要です。
  • 勤務先:給料を差し押さえるために、どこに勤めているかを把握しておく必要があります。

もしこれらの情報が分からない場合でも、弁護士に相談すれば、職務上請求などで調べてもらえることがあります。

養育費の事を無料で相談できる法律事務所

相手の現住所と勤務先を確認しましょう(不明な場合は弁護士へ相談)。

ステップ3:地方裁判所に申し立てる

必要な書類と情報が揃ったら、地方裁判所に「債権差押命令」の申し立てを行います。専門的な知識が必要になるため、弁護士や司法書士に相談しながら進めると安心です。裁判所の窓口でも相談に応じてもらえます。

必要な書類リスト(例)

書類名 入手先 費用
債権差押命令申立書 裁判所のウェブサイト 無料
債務名義の正本(公正証書・調停調書など) 作成した公証役場や裁判所 数百円〜数千円
相手の住民票 市区町村役場 300円程度
相手の勤務先の登記簿謄本(法人の場合) 法務局 600円程度
収入印紙・郵便切手 郵便局 数千円〜1万円程度

書類を揃えて、地方裁判所に「債権差押命令」を申し立てましょう。

ステップ4:裁判所からの命令と給料の受け取り

申し立てが認められると、裁判所から相手の勤務先へ「給料の一部を直接支払うように」という命令書が届きます。養育費の場合は通常の借金よりも優先され、相手の手取り給料の最大2分の1まで差し押さえることができるという特別なルールがあります。

一度手続きが完了すれば、将来の養育費も継続して勤務先から直接支払われるようになるため、非常に強力な手段といえます。

裁判所から勤務先へ命令が届き、給料から直接養育費を受け取ります。

差し押さえ前に知っておきたい失敗例と対策

失敗例1:口約束だけで終わらせてしまった

「元夫が『必ず払う』と言ってくれたから」と、口約束だけで養育費の取り決めをしてしまうケースです。口約束では、いざ支払いが滞ったときに給料の差し押さえのような法的な手続きができません。

対策:必ず「債務名義」となる公正証書や調停調書を作成しておきましょう。これがあれば、万が一のときにも法的に養育費を請求する強力な根拠となります。

失敗例2:感情的なLINEを送ってしまった

養育費が支払われないことに腹を立て、感情的なメッセージを相手に送ってしまうことがあります。これが原因で関係がさらに悪化し、話し合いすらできなくなることも少なくありません。

対策:養育費の請求は、冷静に、事実に基づいて行うことが大切です。以下の例文を参考に、感情的にならず連絡を取るよう心がけてください。

LINEやメールでの伝え方例文

「〇〇さん、お世話になります。〇月分の養育費についてですが、まだ入金が確認できておりません。お忙しいところ恐縮ですが、ご確認いただけますでしょうか。お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。」

このメッセージを送っても返信がなかったり、支払いに応じてもらえなかったりしたら、どうすればいいの?
AYA
その場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談することを検討してください。法的な手続きをスムーズに進めるためのアドバイスやサポートをしてもらえますよ。

失敗例3:相手の勤務先が分からず諦めてしまった

給料の差し押さえには相手の勤務先情報が必須ですが、「もう連絡を取っていないから分からない」と諦めてしまうケースがあります。

対策:諦める前に、まず弁護士に相談してみましょう。弁護士は職務上、相手の勤務先を調査できる場合があります。また、弁護士に依頼することで、相手が「本気だ」と感じて支払いに応じる可能性もあります。

注意

相手が転職した場合、差し押さえの効力は新しい勤務先には自動的に引き継がれません。転職が判明したら、新しい勤務先に対して改めて申し立てを行う必要があります。

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給料の差し押さえについて理解が深まったら、次は具体的な養育費の計算方法や、その他の回収方法についても確認しておくと安心です。