取決めと文書化

私製合意書に潜むリスクと最低限の防衛策|公正証書との違い

離婚や別居を経験するあなたへ。子どもの養育費について、どう決めたらいいか、将来が不安でいっぱいになりますよね。口約束だけでは心配だし、難しい法律の話はよくわからない…そんな悩みを、この記事で一緒に整理していきましょう。

この記事を読めば、養育費の取り決めをするときに「私製合意書」と「公正証書」のどちらを選べばいいか、あなたの状況に合わせた最適な方法が分かります。よくあるケースを具体例で示しながら、今すぐできる行動から必要な書類・よくある失敗例まで、養育費の不安を解消するための具体的なステップをご紹介します。

まず手元の書類を5分で整理しよう

まずは、手元にある書類をざっと確認してみましょう。婚姻関係の書類、子どもの保険証、もしあれば相手とのやり取りのメモなどです。

これらを一箇所に集めておくだけで、次に進むための準備がぐっと楽になります。30分もあればできる簡単な作業なので、まずはここから始めてみてください。

あなたと似たケース、どう対処する?

例えば、次のような状況の場合はどうすればいいのでしょうか?

  • ケース1:結婚3年目で3歳の子どもが1人。夫(28歳、年収350万円)と別居中、妻(27歳、年収150万円)が子どもを育てている。
    この場合、夫からの養育費は子どもの生活費や教育費を支える大切な収入源になります。夫と妻それぞれの収入、子どもの年齢を考慮して、適切な金額を決める必要があります。
  • ケース2:結婚5年目で5歳と2歳の子どもが2人。夫(30歳、年収400万円)と離婚が成立し、妻(29歳、パート収入100万円)が子どもたちと暮らしている。
    子どもが複数いる場合、それぞれの養育費をどう算定するかがポイントです。離婚が成立しているため、養育費を確実に受け取れるかどうかが今後の生活設計を大きく左右します。

どちらのケースでも、養育費の取り決めは子どもの将来に直結します。不安な気持ちは当然ですが、一つずつ解決策を見ていきましょう。

今日からできる!養育費取り決めの3ステップ

養育費の取り決めを進めるために、具体的に何をすればいいのか、3つのステップで確認していきましょう。

ステップ1:養育費の目安を「算定表」で確認する

裁判所が公表している「養育費算定表」を使って、だいたいの金額を把握しましょう。親の収入や子どもの人数・年齢によって、適切な養育費の目安が分かります。話し合いのスタート地点となる大切な資料です。

裁判所のウェブサイトで「養育費算定表」を検索する(弁護士会のウェブサイトでも確認可)

あなたと相手の年収(源泉徴収票や確定申告書)、子どもの人数と年齢を手元に用意する

算定表に当てはめて、養育費の目安金額を確認する(無料)

ステップ2:冷静な話し合いのために事前準備をする

話し合いの前に、自分の希望を整理し、相手にどう伝えるかを考えておきましょう。感情的にならず、落ち着いて話し合うことが大切です。

  • 希望する養育費の金額:ステップ1で調べた目安を参考に、具体的な金額を決めましょう。
  • 支払いの方法:毎月いつ、どのような方法(銀行振込など)で支払ってほしいか。
  • 期間:いつまで養育費を支払ってほしいか(一般的には子どもが成人するまで)。
  • 話し合いの場所と方法:直接会うのが難しい場合は、電話やメール、LINEなど、お互いが落ち着いて話せる方法を選びましょう。

LINEやメールでの伝え方の例文:

「〇〇さん、お元気ですか?
突然のご連絡で申し訳ありませんが、子どもの養育費について、一度きちんと話し合いたいと思っています。
子どもの将来のために大切なことなので、〇〇さんのご都合の良い時に、少しお時間をいただけないでしょうか。
もしよろしければ、〇月〇日の〇時頃に電話でお話しできればと考えています。
難しいようでしたら、〇〇さんのご希望をお聞かせください。」

※相手の状況を気遣う言葉を添え、具体的な日時を提案しつつ、相手の意向も尊重する姿勢を見せることがポイントです。

ステップ3:合意内容を書面に残す(私製合意書 or 公正証書)

話し合いで決まった内容は、必ず書面に残しましょう。将来のトラブルを防ぐための、とても大切な備えになります。

ポイント

私製合意書に必要なもの
・合意書(養育費の金額・支払い方法・期間などを明記。ネットのテンプレート可)
・身分証明書(運転免許証・マイナンバーカードなど)
・印鑑(実印+印鑑登録証明書を添付すると証拠力がアップ)
・費用の目安:無料〜数千円(テンプレート購入など)+印鑑登録証明書数百円

公正証書に必要なもの
・公証役場での手続き(要予約)
・身分証明書(運転免許証・マイナンバーカードなど)
・印鑑(実印+印鑑登録証明書)
・戸籍謄本(子どもとの関係を証明)
・住民票(住所を証明)
・収入を証明する書類(源泉徴収票・確定申告書など)
・費用の目安:養育費の総額に応じて数万円〜数十万円(詳細は公証役場に確認)

失敗しないために知っておきたい3つの落とし穴

陥りやすい失敗のパターンと、その対策を確認しておきましょう。

注意

失敗例1:口約束だけで終わらせてしまった
「大丈夫だろう」と思って口約束で済ませると、後から「言った」「言わない」の水掛け論になったり、支払いが滞ったときに何も証明できなくなったりします。
→ どんなに簡単な内容でも、日付と署名を入れて記録に残す習慣をつけましょう。できれば私製合意書か公正証書を作成してください。

失敗例2:感情的なLINEを送ってしまった
相手への不満や怒りから感情的なメッセージを送ると、話し合いがこじれる原因になります。
→ メッセージを送る前に一呼吸置き、冷静な言葉遣いを心がけましょう。友人や家族に一度見てもらうのも有効です。

失敗例3:養育費の金額を低く見積もりすぎてしまった
早く解決したい一心で、本来もらえるはずの金額より低い金額で合意してしまうことがあります。後から変更するのは難しい場合がほとんどです。
「養育費算定表」で必ず適正金額を確認し、将来の教育費も考慮に入れてから合意しましょう。

AYA
「養育費の取り決めって、やっぱり難しい…」と感じるかもしれませんね。でも、一人で抱え込まずに、少しずつ前に進んでいきましょう。大切なのは、子どもの未来を守るための第一歩を踏み出すことです。

次のステップに進む|関連記事まとめ

養育費の取り決めについて理解が深まったら、次は具体的な行動に移るための情報を確認しておきましょう。

ポイント

AYA
「今の段階で全部を決めなくても大丈夫です。まずは、今日できる1つを終わらせましょう。」